OWL CITY
『NANO-MUGEN FES.』に今年初出演となる洋楽3アクトの中でも、間違いなく世界的から最も強い支持と熱視線を集めているのが、このアダム・ヤングのソロ・プロジェクト=OWL CITYだ。ドラム/ベース/ギター/キーボードといったラインナップが繰り出すパワフルなバンド・サウンドも、マッシヴなダブステップ的アレンジも、多幸感そのもののような歌で鮮やかに乗りこなしながら、それらすべてを歓喜の彼方へとぶん投げるようなアグレッシヴなパフォーマンスで、1曲目“Speed Of Love”から横浜アリーナを目映いくらいの祝祭感で塗り替えてみせる。そこから「ヨコハマ! コニチハ!」と快活に呼びかけながら、自らテレキャスターをかき鳴らし、広大なポップの地平へと駆け出すような歌を聴かせた“Dementia”へ――と最新アルバム『The Midsummer Station』(2012年)のモードで幕を開けた後は、6月にリリースされたばかりの最新EP『Ultraviolet』からの“Up All Night”を経て、彼の名前を一躍有名にした出世作的ナンバー“Fireflies”を披露。アダム・ヤングのドリーミー・エレクトロ・ポップな世界観を具現化するソロ・プロジェクトだったOWL CITYだが、この日の“Fireflies”の精緻な音像はその隅々までアダム本人のヴァイブに満ちて雄大に響いていたし、“Shooting Star”のスケール感に満ちた歌はダイレクトに観る者すべての快楽中枢を震わせるエネルギーにあふれていた。“Gold”で一面のクラップを巻き起こし「ミンナ、サイコー!」と満足げな笑顔を見せるアダム。カーリー・レイ・ジェプセンとのコラボでお馴染みの“Good Time”では熱いシンガロングが鳴り渡り、最高のステージの終わりを華麗に彩っていた。
2日目は大トリ:ASIAN KUNG-FU GENERATIONの直前の「MAIN STAGE」に登場したOWL CITY。この日のステージはアルバム『The Midsummer Station』のオープニング・ナンバー“Dreams & Disasters”で幕を開け、そこから“Speed Of Love”を経て、2ndアルバム『Ocean Eyes』(2009年)の“Umbrella Beach”、さらに最新EP『Ultraviolet』からの“Wolf Bite”……と自身のキャリアを横断検索するような幅広い選曲で、前日とは異なったセットリストを構築してみせる。“Fireflies”のエレクトロのハイブリッドな音世界に生命力を吹き込み、“Shooting Star”でアリーナをでっかく揺り動かしてみせるアダム。ステージのみならずフロアまでライトアップされる中、ラストの“Good Time”が高純度の高揚感を描き出し、一面のクラップとシンガロングで横アリを埋め尽くしていく……クライマックスが近づいた『NANO-MUGEN FES. 2014』の空間をさらに祝祭の頂へと押し上げるような、至高のひとときだった。
■7月12日
- 01.Speed Of Love
- 02.Dementia
- 03.Up All Night
- 04.Fireflies
- 05.Shooting Star
- 06.Take It All Away
- 07.Deer In Headlights
- 08.Beautiful Times
- 09.Gold
- 10.Good Time
■7月13日
- 01.Dreams & Disasters
- 02.Speed Of Love
- 03.Umbrella Beach
- 04.Wolf Bite
- 05.Fireflies
- 06.Shooting Star
- 07.Deer In Headlights
- 08.Beautiful Times
- 09.Gold
- 10.Good Time
1F
- ASIAN KUNG-FU GENERATION [JP]
- the chef cooks me [JP]
- グッドモーニングアメリカ[JP]
- the HIATUS [JP]
- It's A Musical [DE&SE]
- KANA-BOON [JP]
- LOSTAGE [JP]
- NICO Touches the Walls(Acoustic) [JP]
- OWL CITY [US]
- くるり [JP]
- The Rentals [US]
- ストレイテナー [JP]
- TEGAN AND SARA [CA]
- 東京スカパラダイスオーケストラ [JP]
- ユニコーン [JP]
- THE YOUNG PUNX
(with special guests RedNPink) [UK]