It's A Musical
熱気あふれる横浜アリーナの空間に涼やかな一陣の風をもたらしたのは、北欧&ドイツが育んだポップの使者・It's A Musical。オルガン&ヴォーカル:エラ、ドラム&ヴォーカル&ヴィブラフォン:ロバートという変則的なデュオ編成ながら、“For Yours And Years”で咲き乱れるカラフルなメロディと透明感に満ちたコーラス・ワーク、躍動感あふれるビートはまさにバンド・マジックそのもの。「ワタシタチハ、It's A Musicalデス! アリガト!」というロバートのコールから、“Point Back”のクールな質感のサウンドを繰り広げたかと思うと、“Mood Swings”では軽快な疾走感でフロアを心地好く揺らしてみせる。「Really awesome to be here! ダイスキ!」(エラ) 「マジサイコー!」(ロバート)というMCからも、その音楽と地続きの朗らかなヴァイブが伝わってきて、何だか妙に嬉しくなる。 センチメントとメランコリアがミニマルなオルガン・フレーズと美しい歌声から滲む“Summer Break”。一転してオルガンのアルペジオが無機質なシーケンスのように響く“Ball Of Joy”。ラストの“Fish Song”ではエラがドラム・パッドを叩き、ロバートがヴィブラフォンの音色を、満点の星空をひとつひとつ描いていくように丁寧に奏でる……その名の通り「たったふたりのミュージカル」と呼ぶべきステージ。2人で肩を抱き合って一礼、胸にハートマークを作ってみせるエラ。小走りに退場する2人に、あたたかい拍手喝采が降り注いでいた。
2日目はNICO Touches the Walls〜東京スカパラダイスオーケストラに続いての登場となったIt's A Musical。前日と同じく、アルバム『For Years And Years』(2012年)と最新EP『Summer Break EP』(2013年)の楽曲を中心としたセットリストながら、この広大な祝祭空間をよりリラックスして楽しんでいるようなヴァイブが、エラとロバートの佇まいからも伝わってくる。“Ball Of Joy”では右手:ドラム&左手:ヴィブラフォンで8ビートを刻んだり、ドラム・ヴォーカルの途中で華麗なスティック投げを披露したり、その文系青年風な佇まいとは似つかないやんちゃなサービス精神を見せるロバート。シンプルなオルガン・フレーズでポップの真芯を射抜きながら、純度100%の爽快感そのもののような歌を聴かせるエラ。至福の音が、横浜アリーナを心地好く吹き抜けていった。ロバートが「カンパイ!」とビールを掲げ、会場を多幸感で包んでみせた“The Nap”。ラストの“Fish Song”ではロバートの呼びかけに応えてフロアにクラップが広がる。「Thank you so match! Have a nice day!」のロバートのコールに続けて、2人からオーディエンスへの投げキッスで大団円!
■7月12日・13日
- 01.For Yours And Years
- 02.Point Back
- 03.Mood Swings
- 04.The Music Makes Me Sick
- 05.Summer Break
- 06.Ball Of Joy
- 07.The Nap
- 08.Fish Song
1F
- ASIAN KUNG-FU GENERATION [JP]
- the chef cooks me [JP]
- グッドモーニングアメリカ[JP]
- the HIATUS [JP]
- It's A Musical [DE&SE]
- KANA-BOON [JP]
- LOSTAGE [JP]
- NICO Touches the Walls(Acoustic) [JP]
- OWL CITY [US]
- くるり [JP]
- The Rentals [US]
- ストレイテナー [JP]
- TEGAN AND SARA [CA]
- 東京スカパラダイスオーケストラ [JP]
- ユニコーン [JP]
- THE YOUNG PUNX
(with special guests RedNPink) [UK]