サウンドチェックの段階から細美武士がアコギを手に“Stand By Me”を歌ったりして、フロアが早くも熱気にあふれている中、1曲目から横浜アリーナを焼き尽くす勢いで放射される“The Flare”の熾烈なアンサンブル。1stアルバムの楽曲ながら、幾多の切磋琢磨を経て楽曲そのものが鍛え上げられてきたことが、その音の強靭さからも伝わってくる。masasucksの超硬質リフから雪崩れ込んだ“My Own Worst Enemy”の、戦慄必至のスリルと美しさ……結成以来、常に進化を続け、これまでにも『NANO-MUGEN』を熱く沸かせてきたthe HIATUSのサウンドが、10回目の開催を迎えた『NANO-MUGEN』という場所にさらなる鮮烈な輝きを与えていく。そして、伊澤一葉の華麗なピアノの響きで幕を開けた“Insomnia”が、やがて魂の極点を描き出すように激しく炸裂して、横浜アリーナを多幸感と緊迫感が入り混じった唯一無二のライブ空間へと導いていく。「the HIATUSです!」と呼びかける細美の表情にも、汗とともに歓喜が光っている。「いつも呼んでくれてありがとう! いつか、ASIAN KUNG-FU GENERATIONに恩返しをしたいと思ってますが、今もそんな恩返しなんか要らないようなカッコいいところにいるので……今回の『THE FUTURE TIMES』もさ、うわぁいい新聞になってるなぁと思ってポロッと涙がこぼれたよ!」。音だけでなくMCでも、フロアとがっちりギアを合わせていく細美。熱気が刻一刻と高まっていく。
MCを挟んで、“Deerhounds”“Superblock”と昨年リリースのアルバム『A World Of Pandemonium』の楽曲を立て続けに披露していく5人。アコースティック・ギターの音色をフィーチャーした緻密なアンサンブルは、混沌とした人間の核心を描き出すかのように、どこまでも壮麗に、厳粛に響いてくる。「やべえ! テンション上がる!」という細美の叫びから、さらに“Souls”“Bittersweet / Hatching Mayflies”へ。自らの音楽表現とサウンド・フォーマットを研ぎ澄ませながら、オーディエンスの1人1人とどこまでも真摯に向き合い、その魂を現実の「その先」へと鼓舞していく。巨大な火柱のようなエネルギッシュな“ベテルギウスの灯”で観客のエモーションをひときわ熱く沸き立たせた後は、『A World Of Pandemonium』のラスト・ナンバー=“On Your Way Home”の誇らしいくらいに晴れやかな音像で終幕。『NANO-MUGEN』とthe HIATUSの絆がそのまま音になったような凛とした演奏が、広大な空間の隅々まで広がっていった。
■7月16日
- 01.The Flare
- 02.My Own Worst Enemy
- 03.Insomnia
- 04.Deerhounds
- 05.Superblock
- 06.Souls
- 07.Bittersweet / Hatching Mayflies
- 08.ベテルギウスの灯
- 09.On Your Way Home
- ASIAN KUNG-FU
GENERATION [JP] - Chara [JP]
- Dr.DOWNER [JP]
- FEEDER [UK]
- FOUNTAINS OF WAYNE [US]
- KREVA [JP]
- MATES OF STATE [US]
- MOTION CITY
SOUNDTRACK [US] - SUEDE [UK]
- SPACE COWBOY [UK]
- the HIATUS [JP]
- 片平 里菜 [JP]
- ストレイテナー [JP]
- チャットモンチー [JP]
- 秦 基博 [JP]
- 10-FEET [JP]
- 80KIDZ (LIVE SET) [JP]
- GUESTReALM 7/15
- GUESTReALM 7/16