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サカナクション[JP]
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2番手は『NANO-MUGEN』初登場のサカナクション。メンバー5人が位置につく。最後にオン・ステージして、身体をいっぱいに伸ばしながらフロアにアピールするのはもちろんフロントマン・山口一郎。「サカナクションです! 『NANO-MUGEN』みんな盛り上がっていくぞー!」と、“Ame(B)”の爆裂ギターとド派手な電子音の洪水で、たちまち横浜アリーナを高揚感の土砂降りに変えてみせる。
続いては“ライトダンス”。どこかオリエンタルなギターとファンキーにうねるビートが印象的なAメロから、ディスコ・ビートとともにあっという間に歓喜の絶頂まで駆け上がっていく! レーザー光線飛び交うクール・ビートの宇宙=“ネイティブダンサー”の頃には、会場はすっかりハードなディスコ空間へと姿を変えている。そして、フリーキーなシーケンスに導かれて、“セントレイ”の分厚い壁のような轟音が炸裂! 日本にも世界にも、ダンス・ロック・シーンのどこを探したって決して転がってやしない、ラジカルでダイナミックな音の結晶。それが今、この巨大な空間で急速解凍されて心地好く炸裂している。“アドベンチャー”まで一気に演奏した後、「初めまして! 僕たち、私たち、サカナクションと言います! まずはナ、ナノ……」と思わず噛んでしまう山口。「緊張してるんで……『NANO-MUGEN FES.』に呼んでくれてありがとうございます! こんな新人バンドを呼んでいただけるっていうのは、とてもありがたいことですし……ドラクエ的に言うと、いい経験値を与えていただきました!」と、そのアグレッシヴな音とは裏腹の初々しいMCが会場を心地好い笑いで包んでいく。
最後は“ナイトフィッシングイズグッド”。スロウ&メロウなロック・バラード調の前半から、ピアノのコード・ストロークをきっかけにクイーン“ボヘミアン・ラプソディー”ばりにドラマチックに轟音開花! その卓越したセンスと表現力とエネルギーを十二分にアピールしてみせた。

■7月20日
01.Ame(B)
02.ライトダンス
03.ネイティブダンサー
04.セントレイ
05.アドベンチャー
06.ナイトフィッシングイズグッド

文/高橋智樹 | 写真/中河原理英