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『NANO-MUGEN FES. 2008』の1発目の洋楽アクトとして登場したのは、PHANTOM PLANET from LA!
「デビューから10年、サーフ・ロック/ガレージ/エレクトロ・クラッシュなど多彩なサウンド・スタイルを吸収しつつ、常にタイトで王道感あふれるギター・ロックを鳴らすバンド」として知っている人も、「アメリカの人気ドラマ『The O.C.』主題歌“CALIFORNIA”でブレイクしたバンド」として知っている人も、ここ『NANO-MUGEN』の場では決して多数派ではなかったはずではある。 

が、1曲目“ALWAYS ON MY MIND”から、その荒々しいサウンドの質感、2本のギターの絡み合い、キャッチーなメロディで、一気に横浜アリーナを自分たちの空間にしてしまうタフさはさすが!

赤のセミアコ・ギターを抱えたVo・G=アレックス・グリーンワルドの「ワタシハ、アレックスデス。ヨロシクオネガイシマス」という日本語MCにも大きな歓声! 続いては披露した、4年ぶりにリリースされたばかりのアルバムのタイトル曲“RAISE THE DEAD”にも確かなリアクションを感じたアレックス。「ゲンキデスカー? スゴイ! ボクタチハ、PHANTOM PLANETデス」と笑いを誘う。どこかTHE WHOっぽい、ドコドコドコといドラミングとラフなギターが印象的な“BY THE BED”、そして1音1音の圧倒的なスケール感と打撃力を感じさせる“GERONIMO”!

 安定感のあるビートと、ラフでラウドなギターを掛け合わせながら、それが普遍的なロック・サウンドになっていく、PHANTOM PLANETのマジック。“KNOW IT ALL”の2本の泣きのギターソロの絡み合い、“PANIC”のコシの強い4つ打ちと「パッパッパー、パッパッパドゥビドゥー」のコーラスで温度を上げ、「Next song is probably the biggest one around the world」とアレックスが紹介するのはもちろん“CALIFORNIA”! 途中、オーディエンスに歌を委ねたりもしながら、アレックスの「カリフォルニアー!」の絶唱で西海岸の海と太陽の風景をしっかりここ横浜に刻み、「アリガトゴザマス! オヤシミ!」と意気揚々と帰っていったのだった。

01.ALWAYS ON MY MIND
02.RAISE THE DEAD
03.BY THE BED
04.GERONIMO
05.KNOW IT ALL
06.PANIC
07.???
08.DROPPED
09.CALIFORNIA
10.BIG BRAT

文/高橋智樹 | 写真/中河原 理英